事業者は医師の意見を聴き、必要に応じて労働者に対し就業上の措置を講じます。
具体的には、
- 就業場所の変更
- 作業の転換
- 労働時間の短縮
- 深夜業の回数の減少
などがあげられます。
こうした措置を行うに当たっては、労働者の理解が得られるよう努め、不利益な取扱いを行わないこととされています。(厚労省マニュアル 印刷表記「-79-」ページ、「-100-」~「-101-」ページ)
不利益な扱いに当たるのは、
- 解雇する
- 期間を定めて雇用される者について契約の更新をしない
- 退職勧奨を行う
- 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じる
- その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じる
などです。
また、就業上の措置はあくまで医師による意見を考慮して行うものであり、労働者が面接指導を受けていない場合にストレスチェック結果だけを根拠に行ってはならないとされています。
ひと口に「就業上の措置」といっても個々のケースにより内容は様々です。「作業の転換」や「労働時間の短縮」などがどのような文脈のなかで実行されるのかについては、過去の事例に目を通すことで実際のイメージを把握してください。厚労省マニュアルの印刷表記「-75-」ページから「-77-」ページに面談の事例とその後の経過措置についての事例が掲載されています。
補 足
さらに事例をご覧になりたい場合、公益財団法人 産業医学振興財団 様(
http://www.zsisz.or.jp/)のWebサイト内にある「中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する研究」ページに掲載されているPDFファイル「
中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する調査研究報告書」に参考になる事例がいくつか見受けられます(直接リンクは設けていませんので、太字の文言を元に検索してください)。
なお、長時間労働(過重労働)に伴う各種の取り組みについては今般のストレスチェック制度よりも先行して行われており、検索すれば参考となる事例を見つけることができると思われます。